港を支える浚渫って?

港湾は輸出入貨物の99.7%を取り扱っており、
私たちの生活や経済・産業活動を成り立たせる社会資本です。
海底の土砂を掘り、大型船の航行に必要な
水深・水域を確保する「浚渫(しゅんせつ)」によって
豊かな国民生活に貢献しています。

海底を掘り、船の航路・泊地・岸壁に必要な水深・水域をつくっています。


海底に土砂が堆積して大型の船が通れない。

航路・泊地を浚渫する。

浚渫により航路の幅を広げ水深を深くします。

 近年、世界的にコンテナ船が巨大化しています。特に国際戦略港湾、国際拠点港湾では、大型船が安全に航行できるよう航路を増深・拡幅することが求められており、「浚渫」はますます重要性を増しています。また、浚渫作業は、港湾機能を止めずに行われることが求められます。当社は、独自技術とノウハウにより港内の船の航行を妨げることなく、浚渫作業を行っています。


だんだんと堆積していく土砂を

除去して、水深を維持しています。

 河川などから流入する土砂は、港の航路、泊地などに堆積します。そのままにしておくと海底面が浅くなり、船の航行・停泊などに支障をきたし港湾機能を損ないます。当社は港内の水深確保・維持のため、堆積土砂を浚渫によって除去しています。浚渫は、港内の船舶航行の安全確保に不可欠なのです。


©名古屋港管理組合


瓦礫などを除去し、災害時に

いち早く港の機能を取り戻します。

 台風、地震、津波、豪雨などの自然災害で被災した港を、浚渫作業などで復旧・復興させます。土砂、流木、瓦礫、コンテナ、車、家電製品、ゴミなどの堆積によって、港の機能は損なわれます。一日でも早く、速やかに港湾機能を取り戻すために、浚渫は大変重要な役割を担っています。


浚渫された良質な砂で汚泥を覆い、環境を改善しています。


汚泥がたまることにより環境が悪化。

浚渫した良質な砂を利用し、覆砂する。

環境が良くなり生き物が棲みやすくなる。

 海水の流出入が乏しい閉鎖された水域では、水質や底質の悪化が進み、赤潮や青潮が発生する要因となります。そのような水域には航路・泊地で浚渫された良質な砂を使って覆砂(ヘドロなどの表面に砂を撒き、砂で覆う作業)を行い、環境改善を図る取り組みが行われています。また、良質な砂で干潟や浅場(砂浜)をつくることも環境改善の取り組みの一つです。こうした海辺の環境改善事業にも、当社の作業船(バージアンローダー船、砂撒船等)が活躍しています。


環境に優しい工法で、土砂を

埋立地へリサイクルしています。

 浚渫された土砂は、海を陸地に変える埋立用材としても使われます。当社の作業船では、土砂を排砂管を通して埋立地まで送ります。環境への負荷を抑え、効率的かつ経済的な作業方法です。当社には、二つの揚土技術があります。一つは、圧縮空気の力で土砂を排砂管を通して埋め立てする「風力搬送船」。もう一つは、土運船内で土砂と海水を混合してポンプで吸引し、排砂管を通して埋め立てする「バージアンローダー船」です。これらの技術は環境に優しい工法として、海洋関係者からも高い評価を得ています。


風力搬送船 AP1660 良成丸


バージアンローダー船 P8160 良成丸